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『江戸しぐさ』について③

江戸しぐさ⑦「してはいけないしぐさ」

『江戸しぐさ』の中には、されて気持ちがいいものばかりではなく、「してはいけない」とされるものもあります。

「通せんぼしぐさ」

出入り口に立つ、お店の前でたむろする、狭い道で横並びに歩く、こうした通行のじゃまになる行為はすべて「通せんぼしぐさ」です。

「韋駄天しぐさ」

 道路を非常に速く走ること。スムーズな往来をさまたげるため、江戸では理由もなく速く走ることは禁止されていました。学校の廊下でも言うまでもありませんね。

「胸刺し言葉」

 相手を尊重しない言葉や行動は江戸しぐさに反するものです。楽しく会話している時に「それがどうしたの」とか、心配して声をかけてくれた時に「関係ない」とか・・・。

「戸閉め言葉」

 戸を閉めて中に入って来られなくするような、話を中断させてしまう言葉をいいます。例えば、「だって」や「でも」です。どんな意見でも、ひとまず聞き入れる素直さが必要です。

江戸しぐさ⑧「あいづちしぐさ」

 会話をはずませるには、①ていねいに相手の話を聞く②ていねいにあいづちを打つ③知ったかぶりをしないことなどが大切です。どう話すかより、どう聞くかが大事なのです。

 また、感謝やお詫びを伝える言葉の本来の意味を知るとよいでしょう。

 「ありがとう」は「有り難し」、めったにないという意味です。相手がしてくれたことをめったにない特別なこととして、感謝の気持ちを伝えたのです。

 「すみません」は「澄みません」、澄んだ気持ちになれないようなことをしてしまったという思いを伝えたのです。

江戸しぐさ⑨「江戸の子育て」

江戸では、子どもたちに「三つ心、六つしつけ、九つ言葉、文十二、理十五で末決まる」と言って育てました。

3歳までは心の養育に力を注ぎ、嬉しい、悲しいといった感情や美しいものへの感受性や自然をいつくしむ気持ち、人への興味を育てました。

6歳までは体、親の行動を真似させ、おつきあいの作法をしっかりしつけました。

9歳になると、あいさつやあいづち、きちんとした会話ができるよう訓練しました。

12歳になると、きちんとした文章が書けなくてはならないとされました。

15歳はもう立派な大人とみなされ、世の中の道理が頭だけでなく、実感をともなって理解できるとされました。

(参考 学習研究社「みんなのマナーとルール⑥江戸しぐさ」)

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