校長室から

第41回卒業証書授与式/校長・式辞

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   式 辞

 朝、目覚めると柔らかな陽ざしに春の訪れを感じられる季節となりました。

 新しい未来へ羽ばたこうとしている二七二名の三年生の皆さんに心から祝福の言葉を送ります。卒業おめでとうございます。

 この良き日に、公務ご多用の中、尾張旭市長 水野 義則 様、尾張旭市教育委員 杉浦 ますみ 様をはじめ、市議会、小学校・高等学校の校長先生、地域の方々、PTA役員など多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、栄えある第四十一回卒業証書授与式を挙行できますこと、この上ない喜びであります。ご来賓の皆様方の、これまでお寄せ頂きました格別なるご支援・ご厚情に対し、高い席からではございますが厚くお礼申し上げます。ありがとうございます。

 保護者の皆様、今まで十五年間手塩にかけ、育てて頂いたお子様が、めでたくご卒業されますこと、心よりお喜び申し上げます。今一人一人に、自分の残した足跡を糧として、これからも自分を大切にしてしっかり生きていって欲しいという願いを込めながら卒業証書をお渡ししました。これまで義務教育の修了にむけ、職員一同、誠心誠意務めて参りました。皆様のご期待に十分応えることができなかった点もあったかと思います。にもかかわらず、格段のご理解とご支援、ご協力を頂きありがとうございました。ご卒業のお喜びを申し上げるとともに、心よりお礼申し上げます。

 さて、卒業生の皆さん。私は皆さんと出会って、この一年間、「笑顔輝く東中学校」をめざしながら、多くの感動と喜びをあなたがたから贈ってもらいました。最上級生として、東中学校の顔として、立派な姿でした。

 四月の新入生を迎える「歓迎会」での生徒会長のスピーチは母校や仲間への熱い思いが伝わりました。そして、続いて披露された箏曲部や吹奏楽部の演奏は素晴らしいものでした。まとまりがあって、エネルギーのある学校へ赴任できたことを喜んだことが思い出されます。

 部活動においても積み上げてきた成果を遺憾なく発揮するとともに、プレーや演奏だけでなく、チームとして一体となって臨んでいく姿に感動をしました。

 また、日頃の授業だけでなく、修学旅行などの学校生活の様々な場面でみせてくれた「学びへの姿勢」も思い起こされます。

 修学旅行で訪れた「海遊館」で飼育係の方が講義を始めると一斉にメモを取り始める姿、総合的な学習でのプレゼンテーションとして作成し廊下に掲示してある「はがき新聞」など、自らを鍛え、成長させようとしている気持ちの表れと見ていました。

 仲間とともに頑張っていこうとする姿も様々な場面で見られました。

特に、フェスティバルでは、競技へ真剣に取り組むだけでなく、仲間を応援し鼓舞する姿、全員が指揮者を見つめ響かせてくれた美しいハーモニーなど、三年生として、最上級生として、立派で清々しい態度でした。工夫されたクラス発表にも目を見張るものがありました。そして、毎朝正門で交わす気持ちの良いあいさつをはじめ、日常生活の様子でも自慢ができる三年生だったと思っています。

 最高学年として活躍する皆さんの姿からは、東中学校の伝統は引き継がれ、さらには発展させることができていると確信しています。そして、今日、在校生代表として出席している二年生もこの伝統を引き継いでくれることと思っています。

 今日、東中学校を卒業し、それぞれの未来へ向かって進もうとしている皆さんに伝えたい言葉があります。

 一つ目は、「不撓不屈」という言葉です。この言葉は、大相撲の貴乃花親方が大関に昇進するときに、相撲に取り組む自ら姿勢を表すために用いた言葉として紹介されていますが、私が中学二年生のときのクラス目標でもあり、自分が大切にしている言葉です。辞書には「強い心をもって困難にくじけないさま」とあります。これまでも様々な場面で自分の意思をしっかりもって乗り越えてきた事はいくつもあることでしょう。しかし、これからはこれまで以上に、自分で考え、決断し歩んでいかなければならない場面に多く遭遇します。そのようなときも、自分の意思をしっかりもって、前へ進んでほしいと思います。

 また、自分一人では乗り越えられそうもないときは、自分のまわりを見渡し、援助を求めることも必要です。中学校における生活でも、互いに励まし合ったり、助言し合ったりしてきたことと思います。自分のまわりには多くの友達、家族だけでなく、援助を求めたら力になってくれる方や機関が必ずあります。自分がひとりぼっちとは思わずに、頼ってほしいと思います。

 二つ目は校訓の「錬磨」です。「錬磨」の「錬」という字は、心身を鍛え上げるという意味があり、「磨」は磨くという意味です。この三年間で心も体もそして頭の中も鍛え上げ、磨いてきたことと思います。授業だけではなく、部活動や行事、そして日常生活で、友達や先生、家族をはじめ様々な人とのつながりの中で鍛え磨かれてきたのです。一人ではなかなか難しいものです。

 それぞれの道へ進む君たちには、東中学校での「錬磨」をしっかりと心に抱いて、これからの人生でも、この校訓を忘れずに自分を鍛え磨くことで成長していていってほしいと思います。

 卒業生の一人一人が自分を大切にするとともに、まわりの方とともに成長し、社会の様々な分野で生かすことのできる力を身に付け、近い将来にその力を発揮し、社会で活躍してくれることを期待しています。

 終わりにあたり、本日、卒業生を祝福し、ご列席いただきました来賓の方々、そして、保護者の皆様に、重ねてお礼申し上げます。今日まで本校の教育活動に寄せられましたご理解とご協力に対し、教職員を代表し、厚くお礼申し上げます。

 卒業していく生徒たちは、まだまだ中学校では果たし得なかった課題をそれぞれにもっています。皆様方からのより一層の温かな見守りとお力添えをお願いいたします。

 新しい人生の門出にあたり、卒業生の今後の健やかな成長を祈って式辞といたします。

平成二十九年三月三日

      尾張旭市立東中学校長 川本 幸則

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